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非適格合併の循環計算

非適格合併では、被合併法人において、合併対価と簿価純資産との差額を譲渡損益として認識し、課税が生じることがある。このとき計上された租税債務(未払法人税および未払住民税)が純資産を圧縮し、さらに譲渡益を増加させる現象が起こるため、計算に注意が必要である。

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循環計算の発生例

前提条件

循環計算の発生例 図表

  • ・A社を合併法人、B社を被合併法人とする非適格吸収合併を行う。
  • ・対価はA社株式(時価1,650)のみとする。
  • ・B社の法人税・住民税の税率は25%とする。
  • ・源泉所得税等は無視する。
  • ・B社の合併直前の税務上のB/Sは以下のとおり。
借方科目 借方残高 貸方科目 貸方残高
諸資産 800 諸負債 200
    資本金等の額 200
    利益積立金額 400

B社(被合併法人)の税務処理

Step.1 売買取引
借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
合併対価 1,650 諸資産 800
諸負債 200 譲渡損益 1,400
租税債務 350    
       
法人税・住民税 350※ 租税債務 350

※譲渡損益 1,400 × 25% = 350

Step.2 合併対価の分配
借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
資本金等の額 200 合併対価 1,650
利益積立金額
(みなし配当)
1,450    

非適格合併の税務処理を再確認する

 

循環計算に関するポイント

合併直前の簿価純資産は600であり、合併対価1,650との差額は1,050であった。しかしこの譲渡益1,050に対して25%課税され、262の租税債務が計上された結果、簿価純資産は600ー262=338に修正されてしまい、その結果譲渡益も1,650ー338=1,312に修正される。よって、再度税額を計算し直す必要が生じる。
このような計算を繰り返していくと、譲渡益が1,400になる時点で収束する。まさに税金が税金を呼ぶといった現象が起こるため、課税額が思わぬ金額に膨れ上がるおそれがある。

 

 

【備考】循環計算が発生しないとする見解について

循環計算は条文上明確に指示されているものではなく、組織再編税制の専門書においてもこの循環計算について触れていない書籍が散見される。しかしながら、条文構成からは循環計算が発生すると読み取れること、税務申告書の計算構成も循環計算を前提にしていると考えられること、循環計算に触れていない書籍ではその理由が論じられていないことなどから、弊事務所では循環計算が発生するものと考えている。
なお、循環計算が発生するという立場の書籍として、西村美智子・中島礼子・布施伸章『税務申告でミスしないための組織再編の申告調整ケース50』中央経済社 や 佐藤信祐・鯉淵直子『組織再編の会計と税務の相違点と別表四・五(一)の申告調整』清文社 などが挙げられる。


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